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SweetPain

痛 1





「Fuck Me」

大事だとおもうもの
全て
壊して抱き合えば


ふたりの体は
今でも
繋がっていられた?








なんてね


ああ
うんざり


泣き言はやめてよ


醜い姿に
卑しさが増すだけ


もう 見飽きたの


鏡の中
ぐじゃぐじゃに
目を腫らす女


勘弁してよ


喜び勇んで
愚者のカード
ひいてるのは


いつだって アンタじゃない!


分かりきった事
なんべんも
なんべんも


ああ
殺してやりたい


滅茶苦茶に
壊してやりたい


本当に
吐き気がするのよ


誰でもない
オマエしかいない





知ってるんでしょ?










鏡の中の ワタシ










「IF」

ねえ
聞こえる?


生まれくる命と
死にゆく命がそこにはあって


もう
壊れそうなんだよ


忘れることさえできない
過去に楔(くさび)を打てたら
打てたら・・・


ああ


もしもなんて言葉
繰り返しては
夕焼けの見えない空に
涙 流して


ああ


それでも
生きていけと言うのなら


意味はあるのかな?


覚えていて
ちいさなふたり
此処にいたことを




自分さえ生まれてこなければ
何も
歯車など狂わなかったような気がするよ




ああ


もしもなんて言葉
繰り返しては
暮れゆく季節を
なぞることさえ できずに


ああ


それでも
生きてゆけと言うのなら


覚えていようよ
ちいさなかたち
此処にあったことを


意味はあるよね?


覚えていて
そこに何があったのかを


何が あったのかを・・・










「pain」

無数の傷
ざわざわと
小石が泳いで


無意味な言葉に
あなたは
なぜ泣いたりするの?


くだらないとも
思わない


ただ


どこかが
酷く凍るだけ




知ってるんでしょ?




絶望しきった顔をして


偉そうに
こっちを見てだなんて


ねえ
傷はいつ眠る?


ああ


偉そうに
あなたを許すだなんて


白々と夜が明けて
日常が罪を覆い尽くしても


いつ眠るの?

無数の傷に蝕まれた体には
寝る場所なんてないの




どこにもないのよ










「Vision」

何が好きって
どす黒い感情ほど
この身を焦がすものはないわ


後悔なんて
誰が口にしたんでしょう?


一緒に居れば
何かが紛らわされると
懸命に信じ込んで
この世界を
握りつぶすの


敵とか
味方とか
そういうの もうやめにしない?


このまま突き進めば
誰もが神になれるだなんて
ねえ
そんな勘違い


きっと
二人の明日なんて
空に絵を描くように虚しくて


ああ


それでも抱き合うから
甘い勘違い
奥歯でかみ締めるのよ


一緒に居れば
何かが紛らわされると
懸命に信じ込んで


ああ


あなたになら分かるかしら?


見えすぎてしまう明日が痛い
痛くて たまらないの










「ありふれた話」

手首を刻み
血にまみれた女から
男が逃げた


女には
こうするより
失った命を
弔う術がなかった


せめて
あともう少し
そばにいて


凍った頬を抱きしめて


体から流れる
血の塊が
便器に流れていく


さっきまで
生きていたのに




どうして?




排泄され
便器に流れてく


女には耐えられなかった


男は
女の笑顔を愛していた
ずっと
一緒にいたいだなんて
そんな
夢みたいなこと


分かってたんだよ


叶わないものを夢と
呼ぶことぐらい




だからせめて
あともう少し




目が醒めたとき
男の姿は何処にもなかった
書きおきには夢の残骸


『ずっとそばにいるから』


男が逃げて
女は泣いた


手首の傷より
痛いものがそこにはあって


女は泣いた


なんてことない
どこにでもある
ありふれた話


男と女の悲しい話










「ちょんの間」

ちょいとちょいと


置屋の姐さん


もうちっと
おいしいもの


与えておくれよ


見えなきゃいいのさ
何にも
見えなきゃ


だって


内臓はもう
原型すら
留めてないんだろう?


出し入れするのは
そりゃ簡単さ


殴られたり
しなけりゃね


それにしてもさ


もう
体が震えて仕方ないんだ


姐さん


もう
目的なんかないんだよ




忘れちまったんだ




切れる前に
快楽をおくれよ



馬鹿だとおもうだろ

でも
でも
・・・




あたし
何しにここに来たんだろう?










「汚れ」

口の中からは
ほのかに
鉄くずの香り


どこまでつながっていれば
それは 愛と呼べたの?


アナタは持つもの
私は持たざるもの
ただ
それだけの関係性


汝 欲するなかれ
さらば 与えられん


与えられん?


逢いたい理由さえ もう 分からない


なのに
逢いたい 逢いたい 逢いたい


欲しいのはアナタ?
それとも
アナタの所有物?


それを誰に責められるというの


偉そうな唯物論なんて
ここじゃ
なんの意味もなさないのよ


光は まぶしいわね


アナタは
ヘドロをまとった王子様よ


素敵ね


迎えに来て
ヘドロを撒き散らし
放射能を冠に


ねえ


どこまでつながっていれば
それは 愛と呼べたの?


光が 潰れた










「現実」

振り払われる手
追いかけ


暗闇の果てには
光 さして


そんなの
全て 嘘


愛してください
愛してください


拳から血が出るほどに
現実を叩いても


形なきものを
求める愚かさ


悲しいのはきっと
呑み込めないから


散りばめられた嘘を
大事に抱え


愛してください


言葉 吐き捨て
重みなく
残されて ひとり


閉じ込めてしまえば
それで 許されたの?


現実


誰にも きっと わからない










「声」

声はささやく


意味はない
意味はないのだと


最初から
何もなかったのだと


座りなさい
立ちなさい


顎をあげ
天に向き
ひざまずきなさい


壁にぶつかり
血を噴き出して
何度も 何度も 壁にぶつかって


座りなさい
立ちなさい


言うことをききなさい



声はささやく


救済はもはや
訪れぬのだと


だとしたら?


決着は
自分でつけるしかないのだろう


天を向き
無防備なままの首


掻き切れば




悲鳴はあなたに届きますか?










「春夏秋冬」

繰り返し繰り返し
「誰か私を殺せ!」と叫んだ15の春
器だけが生きていても 何の意味もないと
そうやって 思ってた


繰り返し鏡を見ては
「私は誰なの?」と呟いた18の夏
何処に行っても 居場所はないと
そうやって 思ってた


激しく肩を揺さぶられ
「一体 何がしたいの?」と問われた20の秋
ならばどうして 産んだりしたのだと
そうやって 思ってた


抑えきれない孤独に負けて
「誰か私を愛して!」と体を捧げた22の冬
性器は愛されても 魂は愛されないのだと
そうやって 思ってた



春夏秋冬


季節が過ぎて


けれど
螺旋状に絡まってしまった この心は
何処まで行っても 出口などなかった



膨れ上がった この頭の
血管がブツリと音を立てて切れていく
首から先がもげて 何もなくなっても
どうせ
生きているのは 器だけなのだから



一人にしないで
一人にしないで
一人にしないで
置いてゆかないで



描かれた地図は もうぐしゃぐしゃで
何処に 進めばいいのかすら分からない


私は鉛筆の持ち方すら知らない


貴方が書いてくれないと
貴方が書くって言ったんじゃない!



やせ細った この指先から
白い糸が放たれて この喉をしめ付けても
どうせ
生きてるのは 器だけなのだから



「誰か私を殺せ!」と叫んだ15の春
「私は誰なの?」と呟いた18の夏
「一体 何がしたいの?」と問われた20の秋
「誰か私を愛して!」と体を捧げた22の冬



春夏秋冬



若さに暮れた思い出と
何も感じない
かわいそうな季節達の独り言










「断頭台」

ギシリ
ズシリ


体の骨が行く手を拒む


もう放してくださいな


ギリギリ
チョッキン
ギリギリ
ズドン


首さえなければ
何の痛みも
感じなかろ?


見えない
聞えない
話せない




猿の目隠し ここまでおいで




ギシリ
痛い
ズドン
痛い
ギリギリ
いや!!


体の骨が行く手を拒む


あなたは誰の天女のつもり?


くだらない
なにもかも
くだらない




誰か この首を切り落とせよ




断頭台まで
手をひいておくれ






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